突然届いた一通の手紙が私達家族の人生を一転させた。

  • ハンドルネーム:ふわもこ
  • 性別・年齢:20代後半・女性
  • 体験談の時期:私の学生時代

ある日、いつも通り学校から帰宅した私。
中学生ながらも、母がリビングで落胆している様子に違和感を覚えました。
私「どうしたの?」
母「大丈夫……何でもないから」
きっと父と喧嘩でもしたのだろう。
そう思った私はそのまま母をそっとしておきました。
元々単身赴任であまり家に帰ってこなかった父なので喧嘩はよくあったみたいです。
実際、全然大丈夫ではなかったことに気が付いたのは高校に入学してからでした。

私達家族は都内で少しだけ裕福に暮らす幸せな7人家族でした。
中学の受験を控えていた頃、私の人生が一転したのです。
当たり前のように志望校を決め、願書を書き、受験を控えていました。
憧れだった「高校生」……胸が躍る気持ちでいっぱいでした。

そんな時、母から信じられない言葉を聞いてしまったのです。
母「突然でごめんなさい。来月から千葉へ引っ越すことになったの……」
私はこの時、そうか~高校に通学するのが大変そうだな~
そんな安易な考えをしていました……。

母「それでね……高校受験の話なのだけど、千葉に住んでいると都立の学校には通えないの。千葉の公立高校へ行ってほしい……」

正直、びっくりしました。
なんでこのタイミング?
行きたい高校だったのに……
そのために必死に受験勉強したのに……
募る思いは沢山ありましたが私は中学生の分際、
何一つ権力はなくただただ、母の言うことを受け入れました。

憧れだった高校生活にやっと馴染んできたころ、
母から衝撃の事実を聞くことになりました。

母「高校生活は楽しい?」
私「うん……なんか、改まってどうしたの?」
母「妹達にはまだ内緒にしてほしいのだけど……」
私「うん……」
母「実は、お父さん出て行ったみたいなの……」
私「えぇ!!!」
母「もう高校生だからね、一応話しておこうと思って。」
私「単身赴任じゃないの?」
母はこの時一通の手紙を見せてきました。

その手紙の内容がいまいちわからなかったのですが、
「借金」ということははっきり分かりました。

詳しく聞くと父は月の給料を消費者金融から借り入れし、母に給料だと言って1年間以上
渡し続けていたらしいのです。

300万以上の借金、父の逃亡……4人の兄妹……
色々なことが頭をよぎりました。

高校卒業後、看護師という夢を諦め、私は高額収入の見込めるキャバクラで働きました。
必死で昼夜働き、毎月母と協力して借金を返済していきました。
もちろん、借金のことは長女である私にしか伝えられていません。

なんで母はこんな父と結婚したのだろう、そう思って母を嫌いにもなりかけました。
されど家族、協力していかないと。
早く借金を返済してまた昔のような幸せな家族に戻りたい。
その一心で何とか毎日頑張ることが出来ました。
目先の目標ではなく、長期的な目標を立てることが大切なのだと気が付かされました。
幸せは勝手に訪れてはくれません。
自分で掴みにいかないといけないのだと強く思いました。